機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

「今、実はガンダムにハマってるんだわー」

「知ってる?オルフェンズ?」

なんて話しをしたら

いまさら?的な感じで返されたけれどw

ようやく観終わった 鉄血のオルフェンズ

良かった!あれは素晴らしかった!

と終わりたいところですが、熱が冷めないうちに、ぐたぐだと感想というか、見解を書いてみた。。

 

 

オルガの迷い


オルガは、優れたリーダーシップを持ち、鉄華団を、ミカを導き、幸せにするという目標がある。
けれど過去にいた状態が最低だということは、単純に解りうるのだが
幸せという定義は、とても曖昧なものになってしまう。
あまりに自由であれば、糸の切れた凧のように危うさがある。
また、組織が大きくなり、そこに政治が絡めば、組織以外の世論とも絡んでゆき、繋がるパイプも、起こりうる偶然も、様々に交差し始める。


持っている素質がどれだけ素晴らしかろうと、政治や組織との繋がりが出はじめれば、教養が無いことは、大きなデメリットとなる。
いっぽう、クーデリアは、無下に押し殺されている人々を助ける希望になりたいと奮起し、鉄華団と共に駆け上る。

 

その道の途中、ただ上を目指す手段だけが、幸せではないのでは?と、オルガに伝える者も現れるけれど、ミカという存在は、オルガの可能性を最大限まで信用し、そのうえミカは、自分の強さを過信したり誇示するどころか、無視し(というか、オレの力、存在はオルガの一部だよ。という感じ)俺たちに見合う場所はどこ?オルガの見たい世界はどこ?と、彼を上へ上へと押し上げる。
(そもそも天国とは、地獄の深さに比べれば、基準が圧倒的に曖昧だ。それだけモラルというものは、人それぞれであり、また、知り得る知識、快楽、男女よって違うだろうし、そこには大きな隔たりがある。だが、痛み苦しみ悲しみは、どんな人にも共通で分かりやすい。しかも地獄というくらいだから、モラルという足枷は無いので、どこまでも想像を膨らませられ残酷に掘り下げることができる。)

 

ミカは、人とは違い、限りなくシンプルでスマートな言葉を話す。
強さや後ろ盾がなければ、その率直さに感じる怖ろしさ故に、人はその対象を潰してしまおうと弄ぶだろうが、彼は、あまりに強く、迷いなく、(そのうえ、後ろにはオルガが存在している)正論を持ち合わせ、その目は、どこか厳しい判事ような光を持っている。


オルガにとってもクーデリアにとっても、ミカは、愛の対象であり、オルガは、鉄華団の太陽であろうと、クーデリアは、人々の太陽であろうと、がむしゃらに、不器用に足場を固めて突き進む。


どちらも、特にオルガは、ミカを見ることで、答え合わせのように喜びを認識するが、それは失望されることを恐れを抱いているからかもしれない。
事実、中盤では、ミカの言葉に恐れる様子もあった。けれども、ミカはオルガを、どこまでも強く大きく信頼している。
だからこそオルガは、自分の持つ器以上の物事に進む足を止めない。

 

どこがゴールなのか、何がゴールなのか、わからないまま進むということは、怖い。
目隠しをされ、どんな場所にいるかも知らないまま、闇の中を歩かされているようなものだ。だが、そこに自分の事をなによりも信じている、愛を感じる存在(例えば子供のような存在)が共にあれば、魂を奮い立たせ、恐怖を克服し、足を一歩でも先へと運ぶに違いない。
だからこそオルガにとって、手本となる兄貴分、ナゼの存在は大きい。

 

このアニメでの理想は、どこまでも仲間、家族を信頼し、ブラフ無しに純粋なままの人間らしさを貫き通す美しさがある。(つまり大体のおとなが失ったものを、まだ持っている。)
反面、マクギリスは、孤独を愛し、孤独に執着し、罪を背負い、その重みをバネに、この世界の歪みを正そうと、固執する。


とまあ、この感想は、まだ途中まで観ての感想。

 

ラストを観た感想は、人生の最後、その時にこそ人は人生で求め続けた答えを、悟れるチャンスがあるのかもしれず、人生は長さでなく質なのだろうと感じれました。

 

ガンダムシリーズを最初から最後まで観賞するのは初めて。(こんなに面白いなんて!)

 

何気なく語られる言葉にも、様々な真理、答えが練りこんである。

 

今、ふと思い出すのは、アキヒロの
「知らねえし、いらねぇ!」って言葉。
知らないものは、欲することはない。
つまり、いらねぇものは、知りたくもないという、今という瞬間を生きる!言葉。
アキヒロらしく、その真理をすばりと放つ、気持ちよさがあった。

 

最後に。
誰が一番好きかといえば…
終わってみれば、意外とタロットカードの0の数字、愚者感じさせてくれたシノかな。
あれでいて、けっこう天才肌な気がする。(だいたいにおいて天才肌ってタイプは、イラッと?させることがうまいw)
例のシーンには、スラムダンクの山王戦、三井のスリーポイントのシーンを彷彿したなぁ。まあ、性質は、ミッチーというより花道だけど。

 

そういえば、どの人物もタロットのカードで説明できる??ってくらい性格が分かれていて、しっかりとした癖がある。
その視点で考える事も面白いかも。。