どうしようもなく惹かれるものが存在する。
抗うことが叶わぬ心情を感じました。
駒子の持つ『陽』と葉子の持つ『陰』
決して混じり合うことのないエネルギー。
読み進める中、ハッピーエンドを感じさせない
男女の様々な恋の心情にピュアな美しさがあるように見えました。
また、風景描写がとても素晴らしく、音や、景色、匂いまで感じれるほどで
まるで、雪国を訪れたかのような、南国には無い、しんとした景色。
白の中に浮き立つ色や音を体感できたような気持ちにもなれ、川端康成の凄さを痛感し、また彼の作品に触れたいと思うことができました。