ストーカー アンドレイ・タルコフスキー
もし訪れることで願いが叶う部屋があるのならば…。
ほとんどの人は、その部屋を訪れることを望むと思います。
ですが、叶えられることは、表層的願望でなく、意識下にあるものだとしたら。。
意識下にあるものは、人の本性や煩悩
それは、皆、成長する過程で、理性を育み、どうにか飼い慣らすことで
他と繋がり、善良な存在だと信じて生きていると思います。
ほとんどの人が望むものは、華々しい何か(お金や権力、発明など)だと思いますが、意識下に眠る望みは、本人ですら分からないもの…。
手放しで、自分自身の善を信じることは、とても難しく、高尚な人ほどに、その難解さを知っているような気がします。(そして、多分この部屋にたどり着けるためには、その苦悩を知るものだけ)
つまり、意識下の願望が叶うことが、幸せになる。というわけではないということ。
ラストの、妻の告白のシーンと、娘のシーンは、それまでの物語を一気に盛り上げてくれる力があります。
映画は、とても静かで、時間も長めです。
SF映画とありますが、その要素は少なく?
人が持つ意思の事柄と、社会、文明が個人に望む事柄の違い
また、苦痛があることで現れる希望や喜び。
そのようなことを無視して幸せを知ることはできない。
快楽=幸福ではなく
幸せとは、自分自信で創造していくもの…。
そんなこと感じさせてくれた映画でした。