オールドテロリスト
なんなんだ⁉︎
この滅茶苦茶かっこいいジイさん達は!!
今回、読みはじめは、今まで読んだような
爆発しそうな、エネルギーは抑えめで
えらく、ゆったりとしてるな。
なんて、思っていましたが、
それは、とんでもない勘違い。
2回目のテロでは、
今の若者ぽい、マツノくんの呟く声が
よりリアルで、なんとも言い難い恐怖をおぼえ、軽くトラウマです 笑
相変わらず、凄まじい文章力。
とはいえ、ドン底まで、落ちきった
主人公、セキグチを筆頭に
心の闇の部分
その、心理的描写がとても参考になります。
村上春樹ぽい印象を受けましたが
描き方は、やはり村上龍。
セキグチをサポートする
不思議な、女性カツラギは、様々な魅力を持っている。
あまりに鋭くシンプルな言葉に
人は、ここまで正直になると、人間社会で、狂わないなんてことは無理だろうな。
と思いつつも
もちろん、とても頭のいい女性なので、
隠しても、為にならないと、優しさらから
言っているのは、理解できるのですが…
セキグチの認めたくない弱い部分を
ズケズケと正論で攻めるドSっぷりは
酷さを通り越して、笑えてきますw
こういうカツラギの様なタイプの人物は、
やはり、同じように頭のいい人と出会わないと
認められないというか、理解されないのではないだろうか?
そういう場所でしか、上手に生きることが
出来ないのではないかと感じました。
紹介したい文は、山ほどありますが。
一つだけ。
文学者や芸術家の役割は、革命を抜きにすれば、社会に関わるものではない。
ましてや、人々の幸福に寄与する?社会を幸福なものにする?社会に貢献する?ふざけてはいけない。連中の仕事は、精神の自由度を拡大させ、社会に蔓延する嘘を暴くこと。それに尽きる。
誰かを幸福にしたいとか、誰かに幸福にされたいとか、そんなこと思うようになったら、それこそおしまいだ。もっと言えば、幸福になる必要はないんだ。幸福より大切な事は数え切れないほどある。
ありとあらゆるものが、幸福より重要かもしれない。
幸福を最優先に考えると、人は殺されることに気づかない場合だってある。
途中を大幅に省いていますが、この流れは、ガツンときました。
確かに、薄っぺらい幸福や、希望を
差し出す奴らは
人をコントロールしようという企みに満ちている。
最後の、人は殺されることに気づかない場合だってある。という部分は、とても深くシンプルなメッセージを感じました。
また、初めの部分では
自分の好きな日本人アーティストの
に通づるものを感じ、
あぁ、だから、自分はあの人達が好きなんだ。
と、妙に納得し、満足もしました。
ラストは、ちょっと悔しさもかんじましたが
最高に痺れます!
とても素敵な小説でした!