騎士団長殺し

 村上春樹の最新作
いつものように、普通(ぽい)主人公が、普通でない出来事に対峙し、冷静に(少なくともパニックは起こしていないように思える)応答していく。
常に感じるのですが、これはなかなかハードだし、ありえないだろう。
と、思えるようなシュチュエーションでも、物語は、どこか普通ぽさ、常識の範囲内のように感じさせてくれます。

魅力的な登場人物が多く登場しますが、キーとなる存在、『免色さん』は、その中でも、とてもとても、不思議で魅力のある人物でした。

自と他を、はっきりと分け切れる強さ。
自身の可能性を常に最高のレベルに引き上げる貪欲さ。
習慣を重んじ、焦りを克服する術。
それに伴う、冷たさが満たす反面、その秀でた能力で、人、物事を見極め、信頼に足れば、どんな事態にも、応答していく。
そのスキの無い人生に、突如として訪れた、抗えない可能性に、翻弄される様は、ホッとするような人間臭さを感じ、身近に感じることができました。(グレートギャツビーのように)

こちら側とあちら側。意識と潜在意識。生と死。
その境界線は、その跨ぐ瞬間を、より自然に描かれていて、それは、ファンタジーを超え、もしかすると、誰もが当たり前に、経験するかのようでした。

必死になって生きてる時、遠くにあるはずの楽園は霞んで見え、近く存在している景色は歪んでいるように見えます。
そのような時でも宇宙からこちらを眺めると、それは誰の目にも美しく映ることでしょう。
経験は、人を強くし、優しさを持つことへのチャンスでもあります。


不思議な物事は、幼い時代には、リアルな感覚として生きていますが、大人になるにつれ、それは、無意味で、役に立たないことだと知り、ほとんどの人は、心の奥底というより、あちら側へ手放して忘れたように生きます。
ですが、時に、想像を超える、大きな出来事を経験することで、あちら側の世界を、子供だった頃よりも、リアルに(できればシリアスに)感じ、自分の内面の奥深くへと、そしてあちら側へと旅を始めることができるのかもしれません。

そして、最も大切なことは、そこから必ず帰ってくること。
それを忘れてはいけないのだと感じました。

 

 

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

 
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

 

 

サムとケイティ

幸運の三日目。

ライブ、コンサート、と続いた次の三日目は、

「サムとケイティが来るからおいでよ」

と、お誘いを受け、友達のゆう工房にてバーベキュー。

 

着いて早々、同級生(ゆう子の夫)は飲みの約束(別件)があるらしく

まあ、自分にも一目会っとくか程度に待っていてくれたらしく

 

「遅いって!サム、ケイティは知ってるよね?俺おらんでも大丈夫よね?」

 

「一度会ったかな」

 

「え?笑…じゃあ遅れるんで行ってきます」

 

…行ってらしゃい。

 

現場に行ってみるとサム発見。

通訳もしてくれるカズさん(初)とまりさん(奥さん)に挨拶。

ゆう子も発見。

 

「あっ、ガクちゃん。サム会ったことある?」

 

いったい、君達は、何を思って招待してくれたのかな?

という淡い疑問を胸の内に抱えながら

 

「一回飲みに行って、みんなで写真撮ったくない?」

 

と言うと。

 

「あっ!!写真ある!」

と家に駆け込み消える。

 

…優しそうなカズさんとまりさん、サム、ケイティと何気ないおしゃべり。

 

ゆう子、駈けもどる。

 

手には、写真ボックス。

ボックスの側面には、写真を飾れるようになっていて

そのメイン部分に、その写真が収められている。

 

メイン部分に!!

(気を利かして今そこに入れたのかどうかは聞かなかったけれど)

 

懐かしい面々。(11年前?)

 

そこからサムとも、ガク!久しぶりね。この日覚えてるよ。と会話もはずみ

より和やかな雰囲気に。

 

ケイティが作ってくれていた

アボガドとガーリックをペースト状にして(あとトマトも)

チップスにのせて食べるのは、まさにアメリカ!という感じで嬉しかったし美味しかった!

 

お肉もたくさんあったけれど、この二日間の旅の疲れと、英語で会話したいなぁ。という緊張からか、あまり食べれなかったのは本当に心残り。

 

なので、お酒はよく飲めました。

弱いんで、顔は誰よりも真っ赤でしたが。(いつものように!)

 

それにしてもカズさん英語ペラッペラ。優しいしかっこいい。

おかげでサムとも英語で喋れているような感じを味わえましたw

音楽の趣味があったのでよかった。(勝手な予想で、多分ギターとかするはずと、グレッチギターのTシャツを着て行ったのは正解)

 

WEENというバンドを教えてもらいました。

すごく自由でweirdでかっこいいバンド。

 

まあ、途中、みんなの話すサムと、目の前いるサムが、なぜだか一致してなくて

「あれ?サムって誰かね?」

と、質問をする失態(しかもみんなで一斉にサムの方を指さすんでバレバレw)をしてしまいましたが(その後、サムが肉を焼く所から大量の煙がモクモク届くw)。

 

 まりさんも上品な気品を漂わしながらも気さくで接しやすい女性で

人見知りな傾向の(だった?)彼女もみんなと楽しく打ち解けれていて、ホッとその成長を見守るw

 

子供達とも結構話せて楽しかった。(じょうたろうは手品も披露してくれたな)

 

最後は、途中帰ってきた黒田とゆう子、彼女と自分で朝方まで飲み明かしたという。。

 

目紛しくハッピーな3日間。

昔は、毎日こんな日々だったような気もしますが、まあそれはそれ。

そもそも今は、そんな体力がもたんわなw

 

雨に唄えば 斉藤和義 弾き語りツアー2017 宝山ホール

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幸運の二日目。

この日は3列目。

席に着いて、口にした言葉は

 

「うわっ、ちかっ!!」

 

ギターネックのブランド名が読めるほどの距離。

 

後ろを振り返れば、ものすごい人。

これで一人で演奏とか凄すぎる。。

見る場所は、ほぼ一点、斉藤和義、本人だけじゃんね。

さすが、やらかす男は度胸がすわってる。。

 

弾き語りは初で、さすがに退屈することもあるかな?

なんてことも、チラと思いましたが、あっという間の約3時間でした!

 

唄もトークも素晴らしすぎる。

どこまで、器用で賢い人なのだろうかと感銘を受けました。

 

特にギター塗装&ダブルネックベースギター製作の話は、興味が、ドンピシャでした。

やっぱりあれですよね。

失敗があって、そこから考え、悩み、工夫する過程が、楽しい…終わってみると!

実際、その時は、全く楽しいなんてことは無く、むしろなんでこんなこと始めたんだろう。。なんて後悔もしたりしますが 笑

 

そして、その様々な苦労を人に話しても、理解されることを期待してはいけないw

大体は、何やってんの?という反応の切なさ。

まだ隣の人が話す、世間の愚痴なんかの方が、重要度は全然高い。

本当、苦労話なんてのは、多くは話すまいと心にしまっていますw

 

あの、せっちゃんですら

「こんな話して良い?」と一言断るくらいですからねw

 

それにしても、そんなこと金でいくらでも解決できる身分だろうに…

どこまでもロックンロールな男です。

 

そんなことを感じていたので、『カーラジオ』が始まった時は、なんか感動しました。

  

最初から、最後まで、

演奏やトーク、曲目、すべてひっくるめて、完成度高すぎる。

あれで満足しないことなんてあるのだろうか?

 

なんて、すごい男なのだろうかと、感じた素晴らしい日でした。

 

 

THE BIRTHDAY NOMAD 宮崎WEATHER KING

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THE BIRTHDAY初の最前列!

整理番号は驚きの10番だったので、

おっ、これは前例いけるでしょ。余裕でしょ。

という軽い気持ちで開場を待ち、いざ開場。

 

テクテク歩いていると後ろから皆ダッシュ!

 

彼女の傘を預かっていたので、それをしまおうとしてると、彼女もダッシュ!(場所を取っててくれそうなそぶりはゼロ)

 

おいーwwwと、慌てて(もちろん大人の冷静なそぶりを、きっと保ちながらw)

手に持っている傘を、家庭菜園のジャキジャキと生い茂る菜のように、忘れ去られた傘達の中へ、バスッ!っと投げ入れ、皆に遅れてダッシュ!

 

結果は、ギリギリ、チバとハルキの真ん中辺り。

ほんっと、危ない。。

なりふり構わなくてよかった。。

そんな自己責任いらんし。

 

どちらの音もアンプから直接届くのでとても気持ちよくノレる♪

ベースは特に気持ちがいい。

アルバムNOMADは特にヴォンヴォンと

波のようにうねりを持ったベースが好きだったので最高のポジションだった。

 

アンコールでは、チバも前に出てきて一緒に歌おうと客を煽りはじめる。

一つのドクロと、二つのダイスを身に纏い、血にまみれた跡を残すピックガード。

当然ながら、そのチバ仕様のグレッチ テネシーローズも眼前に現れる。

 

彼のテールに存在しているのは、カスタムされた鈍い輝きを放つ鉛色のビグスビー。

それに吸い寄せられるように右の手が伸びた3cm手前で・・・

 

「あれっ!殴られる?」

 

と、ピタリと止まる 笑

 

やっぱり嫌な記憶は残したくはなかったこの時間。

スタッフブログ写真にも登載され

いい思い出といい記念になった素敵な日でした。

 

ホームシック

ジョニーだ!
今ラストは酔っぱらってお喋りになってる。
ラストは、物事を深く見つめる男だ。
オレはまあ、ラストほどではない。
ラストは、酔っぱらうと遠慮なく難しい事を話しはじめる。
でも、ジッとして話を聞くのはなかなか大変だな。
あっ、ちょっと真剣な感じになってきたな。
人が話しているときは、少しは落ち着けって怒られたりするから、ちょっとちゃんとしてくる。


「いいか。ジョニー。
俺たちは皆んな、今を当たり前のように生きている様に見えるが、実際はそうじゃない。
生まれた時代。何もかもが新鮮だったあの頃に、誰もが皆、ホームシックを患ってしまっている。
代わり映えのない日々をかき消す為に、過去や、まだ訪れてもいない輝かしい未来の話しをして今を誤魔化し生きている」

「ナルホド、ナルホド」

「繰り返すな。
わかるか?人のリアルは今しか存在しないってのに、今に立っている人間はわずかしかいやしない」

「そうかー、おれもそうなのかもしれないな」

「…いや、ジョニー、おまえは今しか無いように見えるよ。それはたまに俺の眼にうらやましく映る」

「そうか?褒められたなおれ」

「うん。。今日も楽しげな夢見てるな。あれだぞ、バランスってのはきっと大事だ。
・・・なんか俺は愚痴ってるみたいだな。嫌な事でもあったっけ?」

「いやっ!わかるぞ!!ラスト!人間は難しい生き物なんだ。世知辛い世の中だ。まったく大変なことばかりだ。
なぁ、そうだろ!ラスト!
なんならオレをお手本にしてもいいぞ!」

「…。」

「歌でも歌うか!なっラスト!ラララ、ラス…そうだ!ステキな事に気付いたぞ!聞かせてあげよう」

「…いい?」

「どうぞ」

「ピザだ!ピザが食べたいな!それもハラペニーニョだ!
ハラハラ、ハラ!ペニ〜〜ニョッニョッニョッ♪
しゅわしゅわ、シュワっと踊るよコークちゃん♪」

「…。」

「飯テロにやられたジョニーちゃん♪」

「いつだよ」

「ん?何?」

「いや何も言ってない」

「そうか!ポーーーッ!!!(マイケルポーズ)」

「誰だよ!!」

「マイケルだ!知らないか?マイケル!」

「知ってるわ!答えるな!
…聞かれたから答えたのになんで怒られたんだ?なんてびっくりした顔してんな!
だいたい今の話からどうやってピザに流れ着いたよ?
お前絶対上の空だったろ!学校の授業かよ。
あとな、ハラペニーニョじゃなくてハラペーニョだ!二はいらん!」

「おしいっ!ほとんど正解♪とか言ってんな!どんだけ自分ラブだよ?
もういいから、さっさと電話してこい」

「あはは!イライラするなよ!まったく!ラスト!音楽でも聴きなよ!
ポーーーッ!!!ピッ」

 

Joker

 

過去を消したいって?
おれはごめんだね
黒はいつだってジョーカーだろ?

赤はクィーン
キングは青
いや 青はナイトか?

今を生きてるかどうかさえ危ういんだ
ラッキーカラーはレッド
お気に入りはブルー
白黒ネコは月で遊ぶ

未来を知りたいって?
おれはごめんだね
黒はいつだってジョーカーだろ?

赤はクィーン
キングは青
いや 青はナイトか?

今を生きてるかどうかさえ危ういんだ
ラッキーカラーはレッド
お気に入りはブルー
白黒ネコは月で遊ぶ

欲望が足りないかもね
キラービー笑う
黒はいつだってジョーカーだろ?

今を生きてるかどうかさえ危ういんだ
ラッキーカラーはレッド
お気に入りはブルー
白黒ネコは青を見据える

今を生きてるかどうかさえ危ういんだ
ラッキーカラーはレッド
お気に入りはブルー
白黒ネコは月で遊ぶ


「なあラスト…。さっきこれ聴いてた?」

「…そんなあらたまって聞くなよ。なんか感じ悪いだろ?」

「?…?」

「だからな…(なんか恥と嫌味を塗り重ねてしまいそうだな)
ピザは…電話した?」

「お任せください!バッチリです!(オッケーポーズ)」

「うん。そう…」

「三辛です!(指を3本こっちに突き出す)」

「うん。…あれだ、ダンも呼ぼうぜ」

「(オッケーポーズ)ポーー〜!!(マイケルポーズでキメ)」

蛇の夢


体を這う鮮血のタトゥーが食らう先
蛇は何を欲していたのだろう
人が描くものにどれだけの美が宿るのか
人が人を脱する未来は始まりの瞬間にある

神が指差す先に見据えるもの
アダムの心には何が映るだろう
肉体を生かす事に恐れが消える時
頭の声は誰の声で自らをどこへと導く

物語の中のメタファー
嘘でしか真実は夢は輝かないのだろうか
迷路の中の自由
檻の中ですら欲することができただろうか

罪の牢獄で夢を叶える者共
軽々しい重みで笑いを積みあげる
ポイズン ストーリー 最後のページ
拒むことが叶わぬ衝動に愛の形を見る

物語の中のメタファー
心に刻まれた傷はあなたの礎になるだろう
迷路の中の自由
精神こそが大いなる力の源なのだと気付く

物語の中のメタファー
嘘でしか真実は夢は輝かないのだろうか
迷路の中の自由
檻の中ですら欲することができただろうか

繰り返す決断のニューストーリー
深遠な真実を持てるだけの嘘で闇を照らす

 

まぼろし

空を渡る魚は特別な存在なのだろうか
ぷかぷかと彷徨う板の上で
手足を水の中へ泳がせ陸を歩く
あの娘の仕草を真似る

息を切るあいつの肺は命をつかもうと
激しく膨らみ苦を味わう
テーブルの上で求めるふたりの手
シルバーの青に熱が浮かぶ

あぁ
アリスの世界へ転がる
眠りの中かな
イデアの中かな
モノクロームの世界に
色が染みてゆく

あぁ
蜜の中に
海の中に
眠りの中へと

ブーツが缶を蹴り上げお月さま笑う
空気はどこまで音を運ぶ?
永遠ってものに救いをゆだねて
真空のフチに足をかける

あぁ
アリスの世界へ転がる
眠りの中かな
イデアの中かな
モノクロームの世界に
色が染みてゆく

あぁ
叫びたい
この胸に
うつつの海を泳ぎ続ける